昔は幼いマイケルを超えるティーンエイジ・アイドルだったジャーメイン・ジャクソンが、84年の「ビクトリー・ツアー」以来、28年ぶりにステージにカムバック、本物のジャクソン兄弟4人が揃った夢のコンサート。体力も歌も、かなり鈍っているのでは・・・と心配していたけれど、とんでもなかった。
今回は余程の本気度というか、死ぬ気で弟のマイケルのためにも取り組んだリユニオンであり、マイケルへの追悼コンサートなのだろう。
  一番上の格好良いお兄ちゃんジャッキーも、日本には比較的お馴染みの武骨なギタリストで2番目のお兄ちゃんティトも、踊りが上手いマイケルと仲良しだったすぐ上のお兄ちゃんマーロンも、皆メチャ格好良かったし、久しぶりに観た上から3番目のジャーメインは、やっぱりグループ一番のセックス・シンボルであり、ハンサムだし、声は良いし、バラードは抜群の甘さ、優しさ、格好良さ!兄弟で一週間がかりで苦労して選んだという選曲による一時間半を超えるコンサートは、まるでマイケル本人がそこにいるかのように、シェイプ・アップされた踊りと、マイケルでも耳馴染みのナンバーが多い。
  そしてお兄ちゃんたちがマイケルに聴かせるために歌っているかのような心に染みるバラードで、その美しさと優しさは、思わず胸がいっぱいになって、涙はボロボロ、鼻はグシュグシュ、自分の歳も場所も忘れて泣いてしまった。無理だと言われていたマイケルの映像もふんだんに使われていて、まさに昔からのジャクソン5時代のファンも、「スリラー」以降のファンも意識した最高に充実したショウになっているのだ。
  マイケルの死から三年間、待っていた甲斐があったと、様々な想いで胸がいっぱいになってしまった。マイケルもきっとお兄ちゃんたちのこのステージを観たら、心から満足して感動してくれることだろう。
  そうか、「これはマイケルへのトリビュート・コンサートでもある」と言っていたジャーメインたちの言葉の意味は、こういうことだったのかと納得。例えどんな大スターたちが束になってかかっても出来ない、生きた伝説と愛とスピリットがここにはあるのだ。60年代から70年代のファンも、マイケルの死後彼に夢中になったファンも、一度もマイケルのステージを観たことのないファンも、きっとこの生きた伝説の復活には、心から満足出来ることだろう。
  ギタリストはマイケルの「THIS IS IT」で一緒だったトミー・オーガンだし、キーボードはジャネットのアルバムにも参加し、ジャネットのツアーのミュージカル・ディレクターも務めるレックス・サラスだから、音楽的なクォリティーも文句無しだ。まさにこれこそ私が待ちに待っていた本物のザ・ジャクソンズのコンサートだと言って良いだろう。皆さん、乞うご期待!

 

2012年7月28日 オレゴン州リンカーン・シティにて
音楽評論家・作詞家
湯川れい子

 

 

 

熱望していた三男ジャーメイン合流後の28年振りのツアー、いてもたってもいれなくなってオレゴンで見てきました!ジャッキー、ティト、ジャーメイン、マーロン!伝説のジャクソン5、ジャクソンズの4人が目の前に!
  マイケルと共にインディアナ州ゲイリーの貧しい暮らしの中からそのキャリアをスタートさせ、厳しいトレーニングを繰り返す中で世界中のアイドル、スーパースターとなった4人が歌い踊る姿とハーモニーは流石に「別格」。熱狂的なファンでありながら、世代的な問題でジャクソンズのライヴを体感出来なかった僕にとって、ジャーメインが合流した兄弟達のツアーが行われているという事実、それだけでまさに「子供の頃からの夢が叶った」素晴らしい体験だったのですが、なにより今回の「 UNITY TOUR 2012」、彼らのクオリティーが凄いんです。
  アメリカでも人種、性別、年齢を越えた沢山のオーディエンスを興奮で包んだそのパフォーマンスは、肉体的にもヴォーカル的にも全盛期の爆発と躍動を感じさせる最高の状態。 マイケル・ジャクソン「THIS IS IT」で女性ギタリスト、オリアンティとともに彼からギタリストに選ばれたトミー・オーガンら、腕の確かな精鋭ミュージシャン達が生み出すグルーヴにのって、定番のジャクソン5「アイ・ウォント・ユー・バック」「ABC」「ラヴ・ユー・セイヴ」メドレーはもちろん、80年代、マイケルとともに彼らがスタジアムを熱狂に包んだ「スタート・サムシング」「ロック・ウィズ・ユー」「今夜はドント・ストップ」などダンサブルな記録的大ヒットがこれでもか、と繰り出されます。
  そして、パワフルなヒットパレードから一転、それぞれがソロ・シンガーとして成功を求めたゆえに、ある時期からライバル関係にもあったジャーメインが、マイケルを追悼し歌う「ゴーン・トゥー・スーン」では、兄弟同志にしかわからない、彼らが歩んだ長い道のりと想いが感じられ思わずグッときてしまいました。
  マイケルの映像や写真もふんだんに使われたそのステージでは、生前のジャクソンズ・ツアーと同じ演出も繊細に再現されていて、ファンとして嬉しい瞬間も。長身で優しい笑顔の長男ジャッキーのキレのあるダンス、次男ティトの味のあるギターと低音ヴォイス、四男マーロンのエネルギッシュなヴォーカルと熟練のステージさばき、それら全てが伝説を体感出来る刺激的な瞬間でしたが、僕が何より驚いたのが今回合流した三男ジャーメインのあまりのチャーミングさと、歌手としての圧倒的な存在感でした。
  ソロ・シンガーとしてもマイケル、ジャネットに次ぐ成功を収め、ホイットニー・ヒューストンのプロデューサーとしてもギネス記録を獲得したほどのキャリアを持つジャーメインの合流は、世界中のマイケル・ファン、ジャクソンズ・ファンを新たな熱狂に包む起爆剤となるでしょう。
  マイケル亡き今、ジャクソン5、そしてマイケルが兄弟達と作り上げたジャクソンズの歴史的楽曲を歌えるのは、幼い頃からマイケルがシンガーとして憧れ、デビュー後も多くの曲でデュエット・パートナーとしてせめぎ合ったジャーメインしかいない、ということをステージをみて確信しました。僕も長年、ファンを自認してきましたが、この兄弟ならではの化学反応はやはり体感してはじめて伝わった感覚。
  まさに長年のコアなファンから新しいファンまで皆がひとつになれる究極のステージになっていたんです。この「 UNITY TOUR 2012」、日本で12月にファンの皆さんと共に体感出来るのを心から待ち遠しく思っています!マイケル最高!そしてジャクソンズ最高!

 

2012年7月28日 オレゴン州リンカーン・シティにて
ミュージシャン / 音楽プロデューサー
西寺郷太(ノーナ・リーヴス)

 

写真 © Harrison Funk

 

1) Can You Feel It
- 長男ジャッキーとマイケルの共作によるジャクソンズ期を代表するスタジアム・アンセム。

 

2) Blame It on the Boogie
- 78年、世界中のディスコで大ヒットを記録したアルバム「デスティニー」からのファースト・シングル。

 

3) Wanna Be Where You Are
- 初期マイケル、モータウン・レコード所属時のソロでのナンバーワン・ヒット。洗練されたコーラスが美しい。


4) Rock With You
- マイケルのアルバム「オフ・ザ・ウォール」から生まれた全米ナンバーワン・ヒット。ライヴ・アレンジが施されたホットなヴァージョンは80年代のジャクソンズ・ツアーでも定番となっていた。

 

5) Show You the Way to Go

-   世界中のDJ、音楽愛好家から熱烈な支持を誇るジャクソンズのダンス・クラシック。ミディアム・チューンに定評のあるジャーメインの歌唱によって新たな魅力が生まれている。

 

6) Lovely One
-  セルフ・プロデュース・アルバムとして大ヒットを記録した「トライアンフ」収録。初期モータウンの魅力を再構築したポップ・チューン。

 

7) Looking Through the Windows
-   ジャクソン5時代を象徴する洗練されたコーラス・ワークが魅力の全米大ヒット曲。


8) Time Waits For No One
-   邦題「時は誰も待たない」。マイケルと末弟ランディのペンによる「トライアンフ」収録の限りなく美しいバラード。

 

9) Heaven Knows I Love You Girl
-   ジャクソンズの真骨頂と言える美しいコーラスが聴ける、70年代的な本格派ソウル・バラード。

 

10) Push Me Away
-   ジャクソンズが共同で作詞作曲を手掛けた美しく都会的なミディアム・チューン。


11) Man of War
-   兄弟達の語りを絡めた演出が施された反戦のメッセージを込めたバラード。


12) Gone Too Soon (Jermaine solo)
-   アルバム「デンジャラス」に収録された、マイケルが AIDS  で亡くなった親友の少年ライアン・ホワイトに捧げた追悼曲。本ツアーでは、ジャーメインが弟マイケルに捧げている。


13) Medley: I Want You Back / ABC / The Love You Save/ Never Can Say Goodbye / All I Do Is Think of You / I'll Be There
-   世界的に絶大な影響力を誇るジャクソン5期の大ヒット・ナンバーを次々と繋いだ究極のエンターテインメント・メドレー。

 

14) Dynamite (Jermaine solo)
15) Let's Get Serious (Jermaine solo)
16) Do What You Do (Jermaine solo)

-   三男ジャーメインがソロ・キャリアで残したヒット・ナンバー達。スティーヴィー・ワンダーが制作した「レッツ・ゲット・シリアス」はディスコで絶大な支持を得た。


17) Can't Let Her Get Away
-   マイケルのアルバム「デンジャラス」に収録された、ジェイムス・ブラウンに大きな影響を受けたファンキーなナンバー。ジャネット・ジャクソンのミュージカル・ディレクターを務めるレックスのアレンジメントではジャネットのヒット曲「恋するティーンネイジャー」のフレーズも登場する。


18) This Place Hotel
-   ジャクソンズの持ち味であるラスヴェガス的なショー・ビジネス感の完成型と言える、マイケル作のドラマティックなダンス・チューン。

 

19) Wanna Be Startin' Somethin'
-   アルバム「スリラー」に収録され、1984年のジャクソンズ「ビクトリー・ツアー」でも観客を熱狂に陥れたマイケルの代表曲のひとつであるダイナミックなナンバー。


20) Don't Stop 'Til You Get Enough
-  「オフ・ザ・ウォール」に収録され、世界的なクラシックとなったマイケルがはじめて自身で手掛けた全米ナンバーワン・シングル。「トライアンフ・ツアー」のアレンジが再現された演奏に乗って、ジャーメインが得意のファルセットで歌う。

 

21) Shake Your Body (Down to the Ground)
-  映画「THIS IS IT」でも若きダンサー達が舞い踊るシーンで鳴り響いたジャクソンズ最大のヒット・シングル。ジャクソンズ・ライヴの定番となり、マイケルのソロ・ツアーでも演奏され続けた。 

 

マイケル・ジャクソン展ワールドツアー2012